旅に出ようや

はじめに

ツイッターでは「限界旅行」についての見解が流れてきています。ここでいう「限界」というのは、ぎちぎちな行程にした挙げ句飛行機に間に合わなかったり、ホテルではなくネカフェやら空港泊になる、といった心身ともに疲れる旅行のことを言うようです。

個人的にはこのような旅行は初心者がすべきでないと思いますし、それを避けるために様々な手段を使うべきだと思っています。特に旅行に不慣れな人の場合は行程表通りに動くだけでも大変だと思うので、かける必要のない行為は基本的にしないのが得策です。そこで、今回は僕の思う旅行のあれこれを記してみたいと思います。僕は3ヶ月に一回、二泊三日程度で旅行に出かけるタイプの人間なので、旅行初心者よりは知識があると思います……。

まずは「何をしたいか」を考える

どのような旅であっても、真っ先に考えることは「旅行先で何をしたいか」でしょう。目的もなくふらふらとした旅であっても「とにかくぶらぶらしたい」という理由があるわけで、「ご当地の飯が食べたい」だとか「観光地に行きたい」とかが当てはまると思います。僕は乗り鉄なので「色々な路線に乗りたい」という理由で旅行をしています。なので、これを最優先事項として考えていきます。決まった目的地があり、そこで観光をしたいと言う場合は、そこ以外の観光を捨てる勢いで行程を作ります。

例えば、この限界旅行の話題の発端となった艦これの佐世保とのコラボは、佐世保の観光という目的を達成するならば、福岡空港からの佐世保行きのバス(させぼ号)が20~30分間隔で走っているので、それに乗ればいいわけです。福岡空港自体が博多から近いので利用価値は高そうです。ただ、途中で何もできないですが佐世保だけを楽しむならばこれで十分です。

疲れを残さない

旅行初心者はとにかく旅に不慣れです。「やっぱり家が一番」というセリフがありますが、あれは慣れないことをして疲れてしまうので家が落ち着くという意味でしょう。

鉄道マニアは始発から終電まで動き、ネカフェに泊まるみたいな行為が半ば当然という風潮があるのですが、あれを初心者は真似をしてはいけません。夜行バスで当地に来ていたりすると、バスの車内で眠れずに一日を過ごしているためヘタにネカフェに泊まったりすると疲れが取れずに寝過ごし、翌日の行程を大幅に変えなければならなくなったりします。温泉旅館のように夕方5時前にチェックインして朝の9時に出るのがゆったりとしていていいのでしょうけど、夕飯が基本的にないビジネスホテルでそれをする意味はあまりないと思います。夜は外で食べて9時頃にチェックインをして翌日朝食を食べて8時頃出るというのでも十分楽しめると思います。楽しい旅行には十分な睡眠の確保が肝心です。

リカバリのできる行程作り

初心者によくありがちなこととして「ぎちぎちに予定を詰めすぎる」というのがあげられます。確かに見たい場所がたくさんあるとそれを全部入れてしまいたくなる気持ちは理解できます。国内だけでも大変なのに海外旅行のツアーになると「1週間で10ヶ国巡る旅」みたいな、国の塗り*1をやっているのかと思うようなものも見受けられます。

ぎちぎちの行程でも、その通りにこなしていければいいのですが、交通機関の運休はもちろん、少しの遅延で狂うということも考えられます。その時には「ここは次に回そう」と別ルートを使うべきでしょう。また、貧乏旅行のお供である青春18きっぷ普通列車しか乗車できないので、できればお金を余分に持ち特急列車に乗れるように覚悟をしておくのが得策です。

いろいろな交通機関を考える

当たり前のことですが、旅行というからには何かしらの手段を使います。家から直接バイクや自家用車で行くという人を除けば、何かの公共交通を使っているはずですし、複数を組み合わせていると思います。そこで今回は各交通手段のメリットやデメリットなどを上げてみたいと思います。

飛行機

メリット:とにかく速い。遠ければ遠いほど威力を発揮します。また、沖縄などは飛行機利用が大部分を占めます。

デメリット:早めに航空券を確保しないと値段が高くなります。また、自宅や目的地が空港から遠い場合はそこまで行くだけでも大変で近距離だと新幹線と変わらない時間になったりします。また、LCCの場合は荷物の重量制限があったりするので注意です。

新幹線

メリット:飛行機に比べれば遅いけれど、東京から新大阪まで2時間20分程度で着くくらいには速く、十分現地で行動できるだけの時間が確保できます。価格も一年中ほぼ一定で予算が立てやすいのは利点で、個人的には旅行初心者にお勧めの交通機関です。

デメリット:お金のない学生が利用するにはキツい値段設定。盆暮れなどは1ヶ月前に指定席を買わないといけないくらい売り切れてしまうので、その時に突発的に利用しようすると下手したら立ちっぱなしというのもあり得ます。予定が決まったら早めに確保しておきましょう。

在来線

メリット:線路が繋がっていればとりあえず目的地に行けるという安心感。JRの在来線ならば青春18きっぷを使えば一日あたり2370円でどこまでも行けます。シーズン中には観光列車などもあったりして、組み込んでしまうのも面白いと思います。

デメリット:地方に行くと普通列車の本数が激減するため、下手すると2時間待ちなどがザラです。また、普通列車は近距離利用を想定しているため長距離乗車するのに不向きな場合もあります。現存するJRの定期夜行列車は「サンライズ」のみで、深夜に移動するのが困難です。また、駅前よりも国道沿いの方が栄えていたりするので駅に降りたはいいけれど何もない、ということも考えられます。余裕を持って行動しましょう。

高速バス

メリット:在来線よりも多く走らせて、特急列車とガチンコで勝負している場所もあります。特に九州は高速バスの天国で、高速バスだけで事足りてしまうと言う場合もあります。また、定員制のため乗車すると必ず着席できるため、楽に移動することができます。夜行バスは夜行列車に代わる存在となっていて、宿泊代の節約や早朝から当地で行動したいという場合によく使われます。

デメリット:自動車なので渋滞に巻き込まれる可能性が高く定時運行ができない可能性があります。また、車酔いする人にはあまりお勧めできません。夜行バスは熟睡できるという場合は稀で、寝不足になる可能性もあります。

フェリー

メリット:船体の大きさを活かして、大浴場や食堂、フリースペースなどが設置されています。また、部屋も雑魚寝から二段ベッドタイプ、一人用個室、和室、スイートルームなどが用意されていて各自の好みで選べる仕組みとなっています(ジャンボフェリーは雑魚寝がメイン)。

デメリット:時間がたいへんかかります。一日を「移動日」にする場合もあり、短期間の旅行には不向きです。また、船が海の荒れ具合に振り回されてしまいます。瀬戸内海は穏やかですが日本海などはキツいと聞きます。また、ジャンボフェリーの夜便は利用者がたいへん多く、そもそも寝る場所の確保が非常にたいへんです。また、フェリーのりばは駅から離れている場合が多く、列車と接続していることも稀です。

おわりに

長々と書き連ねました。一口に「旅行」と言ってもやり方は人それぞれですし、どれが「正解」というものでもありません。不安ならば旅行慣れしている人に「○○に行きたいんだけどどうやって行けばいいかな」と聞けば色々教えてくれると思います。はじめは目的地で観光をするだけの旅行でもいいのです。そこから視野を広げていくと、見たいものや場所が飛躍的に広がっていくと思います。

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松屋町から適当に歩いていたらまったく偶然に辿り着いた道頓堀

*1:別名「訪問地図」。訪れた場所を居住、宿泊、滞在、接地、通過で色を変えて地図に塗っていく変態地理オタクの行為