BRTで三陸を北上する(2020/06/12)

BRT――。バス・ラピッド・トランジットの略称で、専用道やバスレーンなどを組み合わせることで速達性・定時性を確保でき、大量輸送が可能となるものである。

以前、新潟のBRTに乗ったことがあったのだけれど、連節バスを使っただけで普通の路線バスと変わらず、意味がないように感じたものだ。

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むしろ、BRTを名乗っていない名古屋の基幹バスの方がBRTっぽさはあったような印象だった。

 ……とまあ、僕のBRT経験はこの程度だったわけだけれど、今回の旅行でガッツリBRTに乗ることと相成った。

気仙沼線大船渡線のBRTは、東日本大震災によって線路すら流されるという甚大な被害を受け、鉄道での復旧が困難であるとされたことで転換された路線である。なので、バス路線であるにも関わらずJR東日本の公式ホームページの路線図にもきちんと掲載されているし、青春18きっぷでも乗れる。今回の旅行は18きっぷのシーズン外なので普通のきっぷだったけれど距離は通しで買えた。*1

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ただ、『乗りつぶしオンライン』という全国の鉄道路線乗りつぶしが記録できるサイトだと適用範囲外。

 そんな鉄道なのかバスなのかよく分からない不思議な交通機関、BRTに今回乗るわけだ。前谷地を15:10に発車し、気仙沼で乗り換えて終点の盛到着は19:22着予定。乗り換え時間含めて4時間12分。常磐線の特急に乗っているのと大して変わらない時間をバスの中で過ごすことになる。

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さて、気仙沼線のBRTは前谷地駅前にホームというか乗り場がある。きちんと屋根もあり、これだけ見ると田舎にしてはやけに豪華な作りをした路線バスの乗り場にしか見えない。

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こんな豪華な作りで前谷地からの乗客は僕だけ。三密もあったもんじゃない。

バスも新しく、車内にはUSBの充電ポートが各席の壁側に設置されていたのでありがたく充電させてもらう。

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バスは一般道を走り、専用道をかっ飛ばす。バス専用道の入り口はこの看板が設置されていて、BRTしか通れないようになっている。

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外を眺めていると新しい建物ばかりで津波の被害の甚大さが伝わってくる。2時間20分走って気仙沼到着。

気仙沼駅は駅構内にBRTの乗り場があり、鉄道と同じような扱いになっている。これがBRTの完成形なのかもしれない。充電ポートあればもっとよかった。

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奇跡の一本松とか佐々木朗希(現:ロッテ)の母校がある大船渡ってここかあとか思いつつ、バスは終点盛駅へ滑り込む。

盛駅からは三陸鉄道ポケモントレインで釜石へ。途中、三陸海岸の説明とか吉浜はアワビが名物だとかのアナウンスがあったけど、真っ暗で何も見えなかった。

釜石到着は20:28でホテルに着いて牛タン弁当。紐を引っ張ると温まるタイプなので温かいご飯が食べられるのは優れている。

*1:東日本旅客鉄道株式会社一般乗合旅客自動車運送事業取扱規則第47条適用