旅先で普通列車に乗ることのメリットとは何だろうか。
交通費の節約になるというのが一番大きいだろうか。普通列車しか乗れないフリーきっぷは多数発売されており、18きっぷはその典型例である。今回も常磐線特急以外は普通列車の予定なので、僕もそのメリットを享受していると言える。
ただ、それ以外にも「地元の人の行動を体験できる」というのがある。朝に乗ればその地方のラッシュというものも体験できるだろうし、地元の人がどこからどこまで乗るのかとか、そういうのも観察できる。
旅先で鉄道以外に体験できる物として食事が挙げられる。駅弁や旅館の食事もいいけれど、地元の人がよく使うような店に行ってみるというのも楽しいと思う。そういう意味では、「どこにでもあるチェーン店を使う」というのもアリなのかもしれない。
蛍茶屋のロイヤルホストは鉄道＝オタクに有名ですが、実際にここで食事をするオタクはなかなかいないかもしれません。ロイヤルホストがファミレスの中でも高級路線なので確かに値は張りましたが、長崎市民を追体験するには観光客向けの店の他にこういうところを訪れるのも面白いでしょう。 pic.twitter.com/otozKzjgKJ
— 銀行 (@koropinkoropin) 2017年9月8日
……というわけで、今回はそういう話。
2日目は釜石から出発する。
釜石といえば新日鉄釜石であり、新日鉄釜石といえばV7（ラグビー日本選手権7連覇）である。高校時代ラグビー部だったサンドウィッチマンがコントでネタにするくらいには有名である。
その新日鉄釜石（現：日本製鉄東日本製鉄所釜石地区）は、釜石駅前に会社がどどんと立地していて釜石がラグビーの街であるとアピールしている。
久慈駅へ向かう三陸鉄道の車内でもラグビーのことについて触れられており、新日鉄釜石のV7や、鵜住居駅の近くには2018年に完成した「釜石鵜住居復興スタジアム」という球技専用のスタジアムがあり、2019年に開催されたラグビーワールドカップの会場にも選ばれた旨をアナウンスしていた。
元々三陸鉄道は久慈から宮古までを結ぶ「北リアス線」と釜石から盛までを結ぶ「南リアス線」に別れていたわけだけれど、東日本大震災で山田線の宮古から釜石が被災したことで例によってBRT転換されることも視野に入っていたところに三陸鉄道に移管することで鉄道が維持されたという路線。なので、現在は吉里吉里とか大槌あたりは三陸鉄道。
宮古からは山田線に乗り換えて快速リアスで盛岡到着が11時34分。列車はお馴染みのキハ110。屈指の閑散区間である山田線でドアが自動で開くというのはある意味異様ではある。
次に乗る八戸行きの列車が出るのは12時10分。なので乗り換え時間は36分である。この先の乗り換え時間は好摩で約30分、大館で約10分となるわけで、ここら辺で昼食を食べることにする。実は12:37発の大館行きでも問題なかったので乗り換え時間が1時間あっったというのは後で知った。
30分で何を食べるかというのは悩ましい問題である。せっかく盛岡に来たんだから盛岡っぽいものを食べたい気もする。盛岡の名物と言えばわんこそばとじゃじゃ麺と盛岡冷麺あたりが無難なところであるが、わんこそばは30分で食えるようなものではないので却下。盛岡冷麺は「ぴょんぴょん舎」というところのものが特に有名ではあるのだが、30分で店に行って食って戻ってこれるかと言えば微妙なところ。まずどれくらいの時間で提供されるかが読めない。そうなるとじゃじゃ麺になる。上手い具合に駅ビルの中にある駅そばの店にあるらしく、これならばいつも駅そばを利用している身からすれば、提供時間が読みやすいし、電車の待ち時間に食べるものなので遅くはないだろう。
果たして注文してから3分の時間で提供された「じゃじゃ麺」である。うどんと甘辛いみそとキュウリとネギが載ったもので、非常に美味しい。これで次に盛岡に来たときには心置きなく「ぴょんぴょん舎」の冷麺が食べられる。
さて、盛岡の名物で忘れてならないものが存在する。それは「福田パン」である。コッペパンの中に具を挟んでくれる店で、本店は盛岡駅から徒歩15分くらいだけれど、今回は行く時間がない。何とかパンだけでも食べたいなと思っていたのだが盛岡駅の駅ビルにパンが売っているとのこと。
というわけで駅ビルの「イワテテトテト」で人気ナンバーワンの「あんバター」を購入。というかめちゃくちゃデカいですねこれ……
これをローカル線の車内で食べるという地元住民の擬態化をしながら列車はひたすら北上。人生初の秋田に入り、大館からは701系で秋田へ。というか、大館から3駅で青森だったんだね……。
秋田県で2番目に高いビル*1にあるホテルにチェックイン。部屋は10階だった。
夕食は駅ビルにある店で比内地鶏の親子丼。
